違い、っていっても、聞いた雰囲気はまったく異なるので、聞けば一目瞭然なんですけどね。
両者の雰囲気が異なる原因の一つとして次のことがいえます。
天台声明は、主音を宮(宮商角徴羽の宮)とするものが多く、
真言声明は、主音を商とするのものが多い。
まあ、音楽理論の話をするとややこしいのですが、わかりやすくいうと、
この場合の宮・商・角・徴・羽とは、洋楽でいうところの、ちょうど「ドレファソラ」にあたると思ってください。この音階を、律音階といいます。
天台声明は、この音階を使って、ドで落ち着くようになっているけれど、
真言声明は、レで落ち着くようになっている、ということです。
いや、本当は、使用している音階が異なるというべきです。実際の真言声明は「レファソラド」という音階を使用しているのです。
ところが声明の理論の中には、「レファソラド」に相当する音階はありません。だから、真言声明でも「ドレファソラ」の音階を使用していると仮定して譜面が作られている。
でも実際の曲は、「レ」で安定するようになっているので、その辺が話をややこしくする原因の一つになっています。
前回の日記で書いた「惣禮伽陀」は五線譜をみて歌ってみる限り、「ファソラドレ」という音階を使用しているように聞こえます。この音階は声明理論の中では「呂音階」に相当します。
それで、あまり聞き慣れない声明に聞こえるんだなあ、と一人納得していましたが、復曲された方に話を聞いたところによると、この音階を使っているわけではなく、「レファソラド」の音階を使っているそうです。
いやしかし、歌ってみると「ファ」で安定しているんだよなあ....
たしかに、「レ」でも安定していますが、ちょっと微妙。
やはり「ファ」が主音に聞こえるんですね。
真言声明はけして「ファ」で安定しているようには聞こえませんから、音階が違うと思った方がよいと思う。
2006年05月28日
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